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富士屋旅館 湯河原

神奈川県足柄下郡湯河原町宮上557 [地図]
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この口コミは宿らん調査員が投稿しました。 宿らん調査員とは?
3.9
2019年8月1日に投稿
投稿者:温泉爺家 認証済
2019年7月頃に家族旅行で滞在

古さと新しさが融和する、生まれ変わった老舗の高級旅館

7月の平日に宿泊しました。2002年から営業休止されていた富士屋旅館が今年の2月にリニューアルオープンしたとのことで、娘たちを連れて訪問しました。

旧館、洛味荘、新館の3棟の建物で構成されており、一番古い旧館は大正時代に建築されたものです。ロビーのある新館は骨組みだけを残して殆ど建て替えられ、新しさと古さが巧く融和した落ち着ける空間になっています。新品の看板は館内の雰囲気と合わせる為に年季が感じられるよう加工したそうで、細部にまでコンセプトの拘りを感じました。

エントランスロビーは広々とした土間になっており、落ち着いた色合いに纏まった空間の中で、中央に敷かれた赤い絨毯がアクセントになっています。また奥のラウンジにはアンティークの家具が並べられ、大正モダンを感じさせるデザインでした。玄関の横にはこじんまりとした骨董市が開催されており、値段も手頃なので娘たちは器好きの妻へのお土産として数点購入しておりました。お着菓子のきび餅とお茶はラウンジで頂きました。

洛味荘には小さな図書スペースが備わります。廊下のコーナーに設けられた簡易的な施設ですが、窓から中庭の滝が近くに眺められ、人通りもあまりなかったので落ち着いて読書を楽しめました。

新館の客室エリアは絨毯敷きになっており、素足で移動します。真新しい絨毯は染みひとつなく、肌触りに高級感がありました。今回予約した客室は新館の和室、料金は3名一室2食付きで税込み71400円でした。客室もパブリックスペースと同じく、柱や骨組みに古さを感じますが、クロスや畳は真新しいもので揃えられており、全体的に清潔感のある空間です。窓から木々が生い茂る中庭を見渡せ、滝が落ちる池から涼やかな水しぶきの音が聞こえてきて風流な気分に浸れました。

バスルームに温泉は引かれていませんが、スタイリッシュな浴室のデザインや新しい檜の香りがする浴槽は温泉ではなくとも十分魅力的な温浴施設に感じられました。

アメニティは充実しています。特にカミソリは切れ味が悪くて持参することも多いのですが、こちらのカミソリは切れ味が抜群で、品揃えだけではなく質の良さも重視しているように感じました。ミニサイズのバスアメニティセットは人数分用意されています。館内着には作務衣と浴衣の用意があります。飲み物はお茶セットの他にミネラルウォーターが1人につき一本サービスで用意されています。

男女別に内湯の大浴場が設けられています。造りに差はありませんが、女性大浴場には窓が設えられているので男性大浴場より日当たりが良く、また木々の緑を眺めながら湯浴みを楽しめるようになっています。タオルやアメニティは脱衣場に一通り揃っており、手ぶらで利用出来るのは便利でした。更に女性大浴場にはスキンケアセットが備わるそうです。バスタオルは少量ずつ棚に用意されており、なくなった分はこまめに補充されていました。浴室内は全体的に真新しい木材で囲まれていますが、高い天井には古い梁が張り巡らされており、その重厚感に圧倒されます。広くはない浴室ですが、エリアの半分を浴槽が占めるので、多少利用が重なっても窮屈に感じることはないかと思います。

食事は2食共に食事処「瓢六亭」で用意されます。瓢六亭は宿泊客以外の利用も可能で、ランチ営業も行っています。献立は月替りですが、可能な限り宿泊客の夕食に鰻を提供することにしているそうです。旬の食材を活かした懐石は夏らしい爽やかな後味や酸味の効いた味付けの物が多く、食欲が衰える季節でも美味しく料理を食べてもらいたいという料理人のもてなしの気持ちが伝わってきました。岩牡蠣は苦手な方への配慮から焼き牡蠣に変更することも可能ですが、新鮮な牡蠣は臭みもなく、生牡蠣の方が牡蠣の新鮮さが良く分かります。メインの鰻は土鍋ごはんで提供されます。四万十川で採れた上質な鰻を使用しており、土鍋で提供される前に焼き上がった直後の鰻を一度テーブル席まで持ってきて見せて下さいました。鰻はランチでも値が張るので、宿泊して食べる方がコスパは良いかと思います。デザートはくずきりと焼き大福の二品も用意され、甘い物好きの妻を連れてくれば喜ぶだろうと思いました。

朝食は見た目にシンプルな和食膳です。派手さはありませんが、カマスの塩焼きは骨が全て取り除かれており、ひと手間加えて丁寧に作られていることが分かります。白米は各グループごとに土鍋で炊かれたものを頂けますが、少し水分が多くて好みの炊き方ではありませんでした。とろろ汁は山芋、長芋、海老芋の3種類の芋を合わせて作られており、それぞれの個性がうまく活かされています。同じくオレンジジュースもマンダリン、甘夏、セミノールの3種類の柑橘で作られており、一見シンプルな内容でも説明を聞くと食材の組み合わせが凝っています。

上品な接客ではあるものの、笑顔が少なくて素っ気ない印象がありました。また若いスタッフも緊張しているのか夕食時は話が弾まず、接客面では色々改善の余地がありそうです。

新しさと古さを巧みに組み合わせることで、居心地の良い生まれ変わった老舗旅館の姿を見せてくれました。出来る限り現状を維持して再建することをコンセプトとしているので、老舗ならではの良さが損なわれず、風情のある雰囲気の中で特別な1日を過ごせます。
接客対応
丁寧さはあるものの、若いスタッフの笑顔がぎこちなくて改善の余地はあります。
清潔感
新館は骨組みだけを残して殆ど建て替えられた建物となるのでとても奇麗です。一番古い建物となる旧館のメンテナンスも行き届いております。
客室
柱と骨組みは古さを残し、クロスや畳は真新しく全体的に清潔感のある空間となっています。
食事
鰻をメインにした懐石です。食材のレベルが高く、味付けも抜群でした。
コスパ
安くはない宿泊料金ですが、食事のレベルや館内の高級感を考えるとそれ相応の満足感はあります。
立地
湯河原駅からアクセスが良いです。車通りの多い道路から赤い橋を隔てて別世界の空間へトリップできます。
温泉・スパ
大浴場は清潔感を保つようこまめにチェックがなされており、快適な空間です。
備考・アドバイス
館内にエレベーターは完備されていません。

客室、館内でWi-Fiが利用できます。

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